旦那様は高校教師


「アパートに行っても良いの?」



私は遠慮がちに尋ねた。



「勿論!今日は話があるからじゃなく、聞きたい事があるんじゃない?」



どうして分かったのかな!?



私、まだ何も言ってないよ?



先生の言葉に驚きを隠せない。



「どうして分かったんですか?」



「今日1日ほたるを見ていたら、そうなんじゃないかって思ってさ…」



そ…そうなんだ…。



余程、顔に出てたって事かなぁ?



次からは気を付けよう…。



先生は昨日と同じように、右手に次郎のリード左手は私と手を繋ぎ歩き出す。



まだ公園で遊んでいる子供達の視線が、私達へ向けられる。



けど、緊張と恥ずかしさで私は其れに気付かない。



今から先生のアパートへ行くと思うと、気持ちも落ち着かない。



ドキドキもピークを越していた。





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