旦那様は高校教師


「あっれー心矢さん!?どうしたんですか?」



一際明るい声が飛んでくる。



心ちゃんは声のする方へ振り向き、私の前へ立つ。



「明日からまた入る事になったんだ」



心ちゃんはフロントがある上を指差す。



「ん?…もしかして…彼女さんですか?」



明るい声の人は、心ちゃんの後ろに居た私を覗き見る。



「俺の教え子。明日から売店でバイトしてもらうんだよ」



そんな風にサラリと答える心ちゃんに、私はちょっと寂しさを感じた。



何処を歩いていても、聞かれる事と答える内容はほぼ同じ。



私が高校生である以上『生徒』『教え子』と言うしかない。



分かってはいるけど、一度で良いから『俺の彼女』と紹介して貰いたかった。



でも其れは望んではいけない事。



後2年8ヶ月すれば『俺の奥さん』と言って貰える。



だからワガママ言っちゃいけないね。





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