旦那様は高校教師


「此れ、私が仕立てたんだけど…」



えっ!?



目の前に置かれた物は、薄い紫色に藍色と濃い紫の向日葵模様で、大人っぽくとても上品な感じの浴衣だった。



「娘が出来たら仕立ててあげたいって、ずっと思ってたの♪」



小声でお母さんが呟く。



まさか此れ、お母さんが自分で仕立てたの!?



仕事が忙しいはずなのに…とってもとっても嬉しいです。



「お母さん、有り難うございます」



「良いのよ、私が好きでしてるんだから」



お母さんは目を細める。



「此から心矢とお祭りに行くんでしょ?着付けてあげるから此方へいらっしゃい」



お母さんが隣の部屋へ移動したので、私は急いで後を追った。





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