旦那様は高校教師


「制服を脱いで、此れに袖を通してね♪」



「は…はい…」



何も分からない私は、お母さんの指示に従った。



そして浴衣に袖を通すとあっという間に着付けが終わり、お母さんは最終チェックをする。



「ん」



腕を組んだまま、お母さんは首を傾げる。



きっと浴衣が大人っぽくすぎて、似合わないんだ…。



此れは後数年後までお預けかな?



「ほたるちゃん、ちょっと座ってくれる?」



下を向き肩を落とす私の隣に、椅子が置かれる。



其れに静かに腰を落とすと、お母さんは楽しそうに色々な道具を出し始めた。



「少し目を閉じて…」



「今度は上を向いて…」



私はお母さんの声の通りに顔を動かす。



「はい、出来た♪さぁ気に入ってくれるかな?」



私は手渡された鏡に映る自分の姿を見て、言葉を失った。





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