旦那様は高校教師


「可愛い奴」



心ちゃんは繋いでいた手をグィッと引っ張り、そっと私の頭を撫でた。



離れた手から心ちゃんの温もりが消える。



私…本当に二次元へ居たのかも…。



今の今まで、手を繋いでた事に全く気付かなかったよ…。



「保ちゃん乗せて♪」



駐車場へ着くと、村瀬さんが岡本さんの手を取り左右に振り出す。



「えーっ、皆で心矢さんの車に乗れば良いじゃん」



岡本さんは心ちゃんの車へ向かって歩こうとする。



「残念ながら…俺の車は1人しか乗せられない…」



「何スか其れ!?1人乗せるなら村瀬さんでも良いじゃないですか!?」



岡本さんはズィッと心ちゃんの前に立つ。



「俺は南条の担任だ!彼氏でもない人にお願い出来るわけないだろ?」



岡本さんは何も言い返さない。



ずっと教師と生徒の壁が嫌いだったけど、こう言う時には凄く良い言葉になんだね!?



初めて先生と生徒で良かったと思えたよ。





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