旦那様は高校教師


広場のベンチへ座ってから、ほたるはずっと下を向いたまま口を聞かない。



「どうしたんだ?痛むのか?」



「ううん…」



ほたるは首を横に振る。



ほんの少し前までは、あんなに楽しそうだったのに、急にどうしたんだろう?



「ほたる…何かあったのか?」



「……ごめんね…。せっかくお祭りへ来たのに、下駄擦れしちゃって…」



ほたるは絆創膏の貼られた足を見つめる。



なんだ!そんな事気にしてたのか!?



「俺はこうしてベンチに座ってるだけでも楽しいけど?」



俺はそっと、ほたるの肩に手を回す。



すると、ほたるはゆっくり顔を上げ、俺の目をジッと見つめこう言った。



「私も楽しい♪」



嬉しそうにニッコリ笑うほたるの頬に、手を添えた。



Chu!



唇に軽く触れると、ほたるは恥ずかしそうに俯く。





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