旦那様は高校教師
まだまだ他の競技が残っている。
俺の心配性は中々消えてくれない。
絶対に無理はするんじゃないぞ?
応援席へ戻る姿を暫く眺めながら、心の中で呟いた。
「あの子には随分、優しいんですね」
突然、背後から聞き覚えのある声がする。
雪子!?
振り返った先には、ハデな服に身を纏った雪子が立っていた。
「どうして…此処に…?」
思わぬ来客者に、俺の心が酷く動揺する。
雪子が来てる事…ほたるは気付いてないよな!?
応援席をチラリと見た後、グランドの隅の木影に雪子を連れて行った。
「先生している心矢さんを、一度は見たいと思って来たの♪」
雪子は健気そうな顔を作る。
ごめん…其れ作られた顔だってバレバレ。
「見てみたいって…人の迷惑も考えろよ…」
つい本音が口を付く。