旦那様は高校教師


「心矢さんは相変わらず南条さんに優しいね」



戸川さんは目を細め、ボンヤリ心ちゃんを見付める。



「そんな事ないですよ。先生は皆に優しいんです」



そう…心ちゃんは誰に対しても優しいの。



だから私は、いっつもヤキモチ妬いてる。



でもね…家へ帰れば心ちゃんを独り占め出来るし、家でしか見せない私だけが知ってる心ちゃんが沢山ある。



だから生徒に優しくする心ちゃんを見ても、ヤキモチを顔に出さない努力をしているの。



もし、どうしても顔に出そうになったら…其の時は思い切り笑い掛ける。



私が悲しい顔をすると、心ちゃんも悲しい顔になり、笑顔を向けると心ちゃんも笑顔を返してくれる。



心ちゃんにはずっと笑ってて欲しいから、笑顔でいるって決めたの。



「私達、そろそろ帰るね」



村瀬さんと戸川さんが席を立つ。



「今度は私が会いに行きますね♪今日は話が出来て楽しかったです」



「私達も楽しかった♪南条さん必ず来てね。待ってるから」



戸川さんの笑顔が私へ降り注ぐ。



「はい、約束します」



私は中庭の端まで一緒に歩き、2人のお見送りをした。





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