旦那様は高校教師
「あっそうだ!!栗山君。どうして途中からスピード上げたの?」
本当は触れて良い部分なのか分からない。
でも急にあんなスピードを出すなんて、もしかしたら急用を思い出したのかも知れないし、気になるじゃない?
「あれは、ほたるちゃんの手が冷えきってたから、急いで送り届けようと思っただけだよ?」
「えっ!?私の為に急いでくれたの?」
「うん。ほたるちゃん手袋してないから、寒いんじゃないかと思って手に触れちゃった。先生に怒られるかな?」
栗山君はおどけてみせるけど、不安そうな顔が見え隠れしていた。
「大丈夫。其れ位で心ちゃんは怒らないよ?」
確証がある訳じゃないけど、栗山君の優しさを心ちゃんは分かってくれる。
もし心ちゃんが栗山君の立場で、バイクの後ろに詩織を乗せたとしたら…きっと栗山君と同じ事をしてたと思う。
だから心ちゃんは栗山君を怒ったり責めたりしないよ?
プップーッ!
クラクションの音と共に、心ちゃんの車と永田君のバイクが同時に入って来る。
心ちゃんは手を軽く挙げると、駐車場へ車を停めた。