同居ゲーム
「ん〜、だってさぁ。
普通、こんな怪しい同居ゲームなんかに乗って来ないだろ、冒険心なきゃ。」


「それだけ?」


「まあ、その他は細々したところから。」



なんだか納得いかないけど、央は央でなんかあるんだろう。



……なんかってなんだ? 



まあいいや。



「…大丈夫か?」



一人悶々としているあたしに、央は覗き込むようにしていた。



「あ、うん、なんでもない。」


「そうか。」



もう央の目はCMからドラマに戻ったテレビに移っていた。



あたしもテレビに向き直って、ソファーに持たれる。



テレビの中では、どうやら男の子に一目惚れしたらしい女の子が熱い視線を送っていた。



本当にこんなことがあるものか?



あたし、まだ「あの人カッコいいなぁ」くらいの感情しか持ったことないからなぁ。



恋愛沙汰にはとんと疎い。



ということで…



「ねぇ、央。」


「ん〜?」


「一目惚れってしたことある?」


隣からなんだそんなことかという感じで「なぁい〜。」と返事が返ってきた。



「そっか。」


「何、いきなり。
ドラマの影響?」


「うん。
なんか現実もドラマみたいなキレイな恋愛ってあるのかなって。」



確かこの後二人は学校の新学期で知り合いになる。



何ともベタだ。





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