同居ゲーム
と思っていたんだけど…。



「なぁ由宇希〜。」



とか、可愛く言われたら、男に免疫がないあたしは瞬殺。



「ゴメンな、悪かったってぇ〜。」


「いっ、いいよ。」


「サンキュー!」



ごろんと横に寝転がると、カシャッと首にかけていたネックレスが音を立てた。



あっ、と思って目をやると、いくつかかけている中の一つに目がとまった。



何か…彫ってある。



小さくて見えないけど、文字?



じっと見つめていると、央は寝返りをうってしまった。



ちぇっ、もう少し見たかったな。



とか思って視線を上げると、こっちを見ている央と目が合った。



「これが気になる?」



央は胸元を押さえた。



「あ、うん、いつもかけてるなぁって。」


「大事なものだからね。」



央は笑った。



胸が苦しかった。



なんだか、央じゃないみたいな…。



明るく弾けるような笑顔ではなくて、優しい、優しい笑み。



愛しそうにプレートの部分を撫で、央はそっと服の中に入れた。



そして、もう一度あたしを見て笑った顔は、いつもの明るい笑顔。



さっきのは幻かと思えるくらいだった。





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