瞼の人-マブタノヒト-

昨日から何で一瞬でも凌治にドキドキしてしまったのかずっと考えてた。

あれだ、そうだ!!初めてかっこいい事に気づいたからだ!!
それだけだ。うん。
それ以外に特別な理由なんて無い。無い。


「ねぇ、澪聞いてるー?」


目の前にドアップなユーリ。


『うわ!!ビックリした。』

「やっぱり聞いてなかったでしょ。百面相してたよ?見てて面白かったけど。」

『な、なんでもない。何?』

「教材運ぶから職員室までついて来て。」

重たい教材を二人で分けて職員室まで歩く。
1年間使った教材はみんな少し擦れて汚れてた。


「はぁー、あとちょっとで2年だよー。何か切ないね。」

『うん、そうだね。』

「こうやってあっと言う間に時間が過ぎてさ、いつの間にか卒業とかしてて気づいたら働いてたりすんのかな??
ぎゃーーー!!何か怖すぎる!!」


ユーリの言ってることはなんとなくだけどよくわかった。
もしかしたらみんんはこんな思いを抱えてるのかな。


2年になっても同じクラスだったらいいのにねって話をした頃、丁度職員室についた。
両手がふさがってるから扉が開けれなくて困ってた。

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