シークレットラブ
「は?」
意味がわからないと言ったふうに眉間にしわをよせる壱也。
「私、前からバイトしたかったの。涼子さんのことはただのきっかけに過ぎなかったのっ!」
「前からしたかったって…別に金に困ってる訳じゃないだろ?欲しいものがあんなら、俺が……」
「違うの!!私、歌いたい!!お願い壱也、やりたいの…バイト。」
言いきる私にため息をついた壱也。
真剣に話をしている中、その緊迫感は涼子さんの笑い声でなくなった。
「あははっ、ごめんなさいね?壱也があまりにも過保護だからなんだか珍しくって。よっぽど流依ちゃんのこと好きなのね〜」
「母さんっ、余計なこと言うなよ。」
壱也が睨んでもまだクスクス笑っている涼子さん。
うーん…確かに壱也は過保護すぎるかも…