シークレットラブ
「凉子さんっ、そのことはもういいんです…勝手に家を出た私が悪かったんですし…、それに壱也…助けに来てくれましたから…」
「流依ちゃん…」
切なそうに私を見てくる凉子さん。次の瞬間、私は凉子さんにギュッと抱きしめられた。
「壱也、いいお嫁さん、もらったじゃないっ!!
お母さん、嬉しいわ〜!!」
どうしたらいいのかわからなく、私は戸惑いの目を壱也に向けた。
壱也はいつも以上に優しい目で私に抱きつく凉子さんを見ていた。
壱也と目が合うと、口パクで『も・う・す・こ・し』と言っているのがわかった。
私はゆっくりと頷き、凉子さんの背中に腕を回した。
どんな事情かなんてわからないけど、壱也はお母さんをすっごく大事にしてるんだってことが、すごく伝わってきた。
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