シークレットラブ
あれから無言のまま、車を走らせる壱也は、どっからどう見ても不機嫌オーラを漂わせていた。
……怒ってる…よねぇ…
聞こえないように私は小さなため息をついた。
数分後、家に入った途端、頭の両側に手をつかれ、壁と壱也に挟まれた私は動けなかった。
「どっちがいい?」
「へ…?」
「無理矢理スンのと、例のことだかを言って、キスだけで終わらせんの。どっちがいい?」
………そんなのっ、卑怯だよっ…
なんて怒ってる壱也に言える訳がなく、私はゆっくり口を開いた。
「私、まだ結婚しようって言われてない………」