one.real

『じゃあ私は社長室寄るから、碧は先に会議室行ってて?』


事務所に着いて。

椎名さんに指示を受けた俺は、はーい、と返事をして歩き出す。


『あっ、みっくん!』


と、その時俺達の横を過ぎる一人を、椎名さんが呼び止めた。


『お疲れっす、何か?』

『ちょっと碧と会議室行ってもらっていいかしら?』

『へ?べつに俺一人で』

『いーから!みっくんごめんね?頼むわ』

『や、だから平気だ…』

『いーっすよ、全然』

『ありがと!じゃっ後で』


椎名さんは片手を挙げてエレベーターに乗り込んだ。

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