私の中の眠れるワタシ
「先生。ワタシ、まだ好きだって、相田先生はわかっていたと思います。
だけど、きっと……。
ワタシに諦めさせるため、先生あんな相談したんだって思ったら、悲しくて。
ワタシ、知らなかった……。
美月は友達です。
応援したいけど、裏切られたような気がして、辛くて……。」
「相談って、どんな。」
あまりの事に、担任も、先程までの明るさをなくし、ただ呆れてコーヒーを継ぎ足し聞いていた。
「最近、冷たいって。美月に他に好きな人がいるんじゃないかって。
ワタシ、知らなかったし、他に好きな人がいるかどうかなんて、もっと知りませんから!!」
担任は、泣き続けるワタシを、慰めるように抱きしめ、
「相田の奴……何考えてるんだ!
ふざけてる。生徒と付き合って、それを別の生徒に相談するなんて!!
いい大人が。
気持ち悪い!!!」
ついに担任は、激怒していた。
「ありえねーよ。マジで。あんな奴、先生として校内うろつかれたら、たまらねーよ。
いいか、長崎。この話、誰にもするなよ。」
あっけなく。
圧倒的に、ワタシの味方になった先生を、なぜか退屈な思いも感じずにはいられなかった。
「もちろんです。相田先生と約束したんです。
だけど、誰にも言えなくて、辛くて……。先生だけには聞いてもらいたかった。」
だけに、という言葉に担任は、二度、熱く頷いた。