私の中の眠れるワタシ
いつものクセで、気が大きくなってくる。
今まであまり、話した事もなかったのに、甘えた口調で話したりしてしまう。
「蜜って、結構面白いんだね〜!俺、楽しくなっちゃった!!」
その言葉を聞いて、ふざけて私も肩にしなだれかかり、
「明日にはまた、いつものダンスバカに戻って、鏡の自分と話します。」
と言ったら、彼はそのまま私の肩に手をまわした。
「俺の彼女の話だけど。」
ああ、忘れてた。元々どうでもいい話なので、聞いても聞かなくてもよかった。
「はい。そうでしたね。」
「俺に彼女がいたら、困る?」
「別に関係ないですけどね。」
「関係ない?ホントに?」
「はい。全然。」
じゃあ、と立ち上がった。
会計に向かう彼に、私は黙って着いていく。
二人合わせても、五千円しなかった。
かなり飲み食いしたけど、飲み放題だったからかもしれない。
会計は谷田さんが全て払い、私の手をにぎった。