私の中の眠れるワタシ
−−部活は大会の日を迎えた。
それまでの間に谷田さんと、会う事はできなかった。
ずっと姿を見せない彼の話を、ワタシが口にする事はなかった。
わかってる。
口にすれば、彼が汚れてしまうような気がした。
セツナさんは、部活にきていた。
もう私と、話す事はないけど。
彼女の姿が見られるだけでもよかったと思いたい一心だった。
だけど、踊らなくなった彼女に咲く華はなくなってしまった。
散らせてしまったのはワタシだと、誰かに責められたら。
水も栄養もあげたいと思ったかもしれないが、彼女は自分で華を散らせた。蕾を持つことをやめ、葉さえ落とした。
−−ワタシも共に散りたい。
そう思わずとも、茎の根本から腐ってきていたのは知っていた。
ソウタは、何も言わなかった。なにもかも、知っていた。
ただ、手折る事も最後の優しさが邪魔をして、勝てない試合をワタシと踊った。