私の中の眠れるワタシ

融解




ワタシは、ソウタへの嫉妬に狂った。

そうするのが、ワタシにできる事の中で、一番正しくて、普通な事のように思えた。


−−でも、本当は。

わかりかけていた。
私の心の痛みを、感じなくさせるために必要な氷は、もう少しで全部溶け出す事を。


千晶とソウタは、今日も部活を休んでいた。



イチヤと目が合うと、彼は笑顔だった。


−−オレは、蜜のしたこと何も知らないよ。蜜は心あたり、ないんでしょ?


知らないフリをされる事は、こんなに孤独だ。


セツナさんは、就職活動で最近、部活に姿をみせない。

こうして少しずつ、変化していくんだ。

今までだって、変わってきたのだから。




後輩達は、今日も踊っている。




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