私の中の眠れるワタシ

そして彼は続けて、香水の卸業者で働いていると言った。

だから、メンズ製品だけでなく、抵抗を持たずにレディース用のフレグランスも試していたとの事だった。

全く素人、フレグランスを知らないように振る舞っていたけど、店にくる理由をつけるためだったらしい。



それから彼は、自分の事を少しずつ私に知ってもらおうと、まめに連絡をくれた。

始めは彼に全く興味がなかったのに、『同じフレグランスを選ぶ』センスを持っていた彼が、少しずつ私の心に染み込んでいくのを感じた。



−−そして、いつのまにか。


彼が予言したとおり、私達の間には何かあるという事が。

付き合うという形になって今に至る。




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