私の中の眠れるワタシ

『おまえ、何これ〜。』

明らかに、アキはがっかりして、馬鹿にしていた。

『え?何が。』

私は、休憩時間に二人を喜ばせようとコッソリ行った街のおもちゃ屋で、今人気のあるという戦隊物の塩ビ人形を買った。

ホントは、五体必要みたいだけど……

まあ、赤いヤツでも買えば間違いないかな。

そんな程度の感覚で、選んだ。


『圭太郎は、まだこんなので遊ばねーよ。もう。……つくづく蜜は、向いてないな、子育て。なんにも圭太郎のコト知らないし。だいたいね、圭太郎は……』

確かに圭太郎も、喜んでいる様子もなく、なんとなく手にしてニ、三度振り回してみたら……

すぐに放り出して、音が鳴るようなかわいらしいおもちゃの方で遊び始めた。

『このキャラクターが今は好きなんだよ??もっとよく見てやれよ。ダセーな、センス。』

アキは、冗談まじりにからかったつもりだったかもしれない。

それなのに、私は。



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