君との期待値
「何で今日に限って来てんのよ」
ぼそりと聞こえないように呟いたつもりだったけど彼の耳にはしっかり届いていた。
「いつもちゃんと来てんだろ。俺が来ない日なんてあったかよ」
「昨日……来なかったじゃん」
彼がホースをいじるのを止めてこちらを見る。
「昨日、俺来たし」
「えっ」
来たの?
いつ?
私も拓真も気づかなかった。
ってことは、私が寝てから拓真が来る間?
驚く私に彼は不適な笑みを浮かべる。
「そりゃ気づかないよな。あんだけ寝てれば」
痛いとこを点かれた。
寝てたことを知ってる……。
本当に来たんだ。