君との期待値
意識がだんだん遠く……、
って駄目駄目っ。
これじゃ昨日の二の舞だ。
座ってるから眠くなるんだよ。
私は立ち上がって赤羽くんの側に行く。
邪魔にならないよう、水を与えた方の隣に立つ。
気をつかったのに、隣の少年は、
「急に隣来て、キモいんだけど」
って、顔をしかめて私を見る。
それは明らかに邪魔だって顔。
「いいじゃん別に。あっちにいると眠くなるし、何か話そうよ」
「何かってなんだよ」
いかにも話す気が無さそうな返答。
まさか、そう来るとは。
「ん~」
赤羽くんの言う『何か』を発見するため、頭の中で話題を探す。