君との期待値
……赤羽くんと話したいことなんて特にない。
拓真の好きな人だって知らないって言ってたし。
聞きたいこともないなあ。
ちらっと彼の横顔を見つめる。
柔らかそうな髪の毛がワックスで固められ、ツンツンしてる。
でも見た目はふんわりしてて、細い髪の毛がゆらゆら風に揺れる。
女の子としては、そんな髪質がちょっと羨ましい。
真剣なのかだるそうなのか、一点に集中する瞳に見とれてしまう。
何故か……ドキドキした。
ずっと見ていたいかも。なんて変態意識が生まれて来て首を横にふる。
いけない、いけない。
なに見とれてんの。