君との期待値
とめどなく溢れる涙が頬を伝う。
周りの音なんて何一つ耳に入ってこなかった。
秋風が肌に触れて寒い。
このまま、空気になってしまいたい。
何も考えないでただ風に流されて、
そんなことが頭に浮かぶ。
また……昔に戻るのかな。
『亜姫は人生の8割は損してるぞ』
こんな時になって、先輩のことを思い出した。
『何にもない流されるだけの人生は確かに楽だ。
でも、苦しいことがないと楽しいこともないんだぞ。
楽しめない人生なんてつまんなくないか?』
そう言って笑ってた。
先輩は。