material girl
「兄貴は、オレにとって完璧な人だった。カッコ良くて、オシャレで、自分をしっかり持ってて、やりたいことも見えてて。オマケに素敵な彼女もいたし。俺は、麻衣に初めて会った時から、一目惚れだった。兄貴の彼女だってわかってたから、何も出来なかったけど。」
「…もしかして、この業界目指したのもサトシの影響?」
「半分はそうだな。物心着いた頃から兄貴に憧れて、昔はいつも兄貴の真似ばかりしてた。でもアイツが麻衣を裏切ってからは、好きだった分憎しみが大きかったっていうか。オマケに麻衣には"航輝クンのコトは弟にしか思えない"なんて言われてさ、麻衣が辛い時もオレじゃ支えてやれなかった。
そんな時、突然アイツはこの世から消えちゃってさ、オレの中には常に"兄貴を超えてやるっ!"って意識があった。だからあらゆるコンテストとかに出て、賞も取ったりしたんだ。でも今は、純粋にこの仕事が好きで、楽しんでるよ。コレも兄貴のおかげだな。」
そう言って、航輝は笑った。