今日の・・・
恵子さんの体験した話をまとめるとこう言うことだった。
 1:一階の和室でお昼寝のときに翔君を寝かしつけ、自分もうとうとしていると、2階で明らかに人が歩く音がする。びっくりしてそっと2階に上がってみると、何もいない。おかしいと思いながら一階に戻って寝ている翔君を見ると、なんと横に黒い人影が座って翔君の顔を覗き込んでいる。
 2:夏に冷房を入れているのでリビングのドアは閉めているはずなのに、何度確認してもいつの間にか少し開いている。
 3:旦那さんが遅い晩、先に2階の寝室で翔君と寝ていると、玄関のドアが開く音がしたので、てっきり旦那さんが帰ってきたのかと思っていたら、実際に旦那さんが帰ってきたのは早朝だった。

「とにかく、小さな物音から、姿が見えることまで、しょっちゅう。主人にも何度も話しているんですけど、全然取り合ってもらえなくて・・・。主人には全く見えてないようなんです・・・。怖いし、不安だし。正直、今年一杯が我慢の限界だと思ってます。年末は主人の仕事も忙しいし、翔もパパと一緒がいいって言うし、年明けまでは翔を守りながら何とか我慢しようって。それでも駄目なら、東京の実家に帰ります。実際に何か危害を加えられたわけではないですから、今のところ。」
恵子さんは大きくため息をついた。
「なんで旦那さんには見えないの?」
千秋ちゃんが私に聞いた。
「旦那さん、ぜんっぜん信じない人ではないですか?こう言った、非科学的なこと」
「えぇ、全く・・・」
「見えないモノは信じない、信じないから見えない、そんな循環があるのかな。あとは、ここにいる霊の生前の生活サイクルとでも言うか・・・」
「ここにいる?いるってことは、やっぱり何かいるん?よくわからないなぁ」

 
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