今日の・・・
「ひどいね・・・。でも・・・、ちょっとおかしいねんけど・・・、何も、視えない」
私はつぶやいた。
「え?そうなの?」
「うん、おかしい。なんて言うか、今はそばを離れてるとしても、その首を絞めるほどのものなら、何かこう、尾を引くものがあってもいいと思ったねんけど・・・」
「そう・・・。女の人だと思う、細くて白い腕だったから。腕しか見えなかったけど。でも最近、おかしいな、とは思ってたの。ずっと人の視線みたいなのを感じてたし・・・。関係あるかどうかはわからないけど」
夕実は大きなため息をついた。
「そう・・・。なんなんやろう。今は?」
「今はなんともない。眠いだけ」
「ちょっと待って・・・」
私はもう少し集中度をあげて夕実を見つめた。
「う~ん。ごめん、わからないや、やっぱり。心当たりは?」
何も視えなくて私は首をかしげた。
「特に思い当たらないよ。・・・見えない方が怖いなんて・・・」
「得体の知れないものって怖いよね。しばらく気をつけてみるよ」
「ありがとう」
夕実は少しホッとしたように微笑んだ。
「ホンマに食べないの?」
「うん、コーヒーだけ買ってくる」
夕実はそう言って財布だけを出して席を立った。私は自作のお弁当を鞄から出しテーブルの上に置いて夕実を待っていた。腕組みをして目を軽くつぶってちょっと考えてみたけど、よくわからなかった。と言うか、学食で弁当を目の前に腕組みして目をつぶっている女子大生である私の姿にふと気付き、急にバツが悪くなると集中力も切れた。
私はつぶやいた。
「え?そうなの?」
「うん、おかしい。なんて言うか、今はそばを離れてるとしても、その首を絞めるほどのものなら、何かこう、尾を引くものがあってもいいと思ったねんけど・・・」
「そう・・・。女の人だと思う、細くて白い腕だったから。腕しか見えなかったけど。でも最近、おかしいな、とは思ってたの。ずっと人の視線みたいなのを感じてたし・・・。関係あるかどうかはわからないけど」
夕実は大きなため息をついた。
「そう・・・。なんなんやろう。今は?」
「今はなんともない。眠いだけ」
「ちょっと待って・・・」
私はもう少し集中度をあげて夕実を見つめた。
「う~ん。ごめん、わからないや、やっぱり。心当たりは?」
何も視えなくて私は首をかしげた。
「特に思い当たらないよ。・・・見えない方が怖いなんて・・・」
「得体の知れないものって怖いよね。しばらく気をつけてみるよ」
「ありがとう」
夕実は少しホッとしたように微笑んだ。
「ホンマに食べないの?」
「うん、コーヒーだけ買ってくる」
夕実はそう言って財布だけを出して席を立った。私は自作のお弁当を鞄から出しテーブルの上に置いて夕実を待っていた。腕組みをして目を軽くつぶってちょっと考えてみたけど、よくわからなかった。と言うか、学食で弁当を目の前に腕組みして目をつぶっている女子大生である私の姿にふと気付き、急にバツが悪くなると集中力も切れた。