今日の・・・
 やがて、8時を回ると亜美は車で迎えに来た彼氏と帰っていった。部屋に一人になると、急いで携帯をあけ、夕実にかけた。5回ほどコールして夕実の声が聞こえた。
「もしもし」
「夕実?私。大丈夫?」
「・・・うん」
「喋れない?」
「あんまり」
電話の向こうで谷君の誰?と言う声が聞こえた。
「友達」
夕実はそう簡単に答えた。そして、
「わかった、これから行くから」
夕実はまるで一人芝居のようにそう言うと電話を切った。私は夕実の気持ちを察し、部屋で待つことにした。

 9時を少し回った頃、再び携帯のベルが鳴った。
「もしもし」
「あっちゃん? 今、駅。谷君がここまで送ってくれたんだけど、友達の家に行くからって言って別れたところ。今から行っても大丈夫?」
疲れた声で夕実が言った。
「いいよ。一人で来れる?」
「うん、近いから大丈夫」
「・・・いいわ、やっぱり迎えに行く。自転車で飛ばすから5分くらいで着くよ。コンビニの中で待ってて」
私は多少、責任を感じてそう伝えた。駅近のコンビニなら安全だろうし。
< 41 / 46 >

この作品をシェア

pagetop