今日の・・・
 二人で並んでうちまでの帰り道を歩いていた。息が白くまとわりつく。
「今はなんともないね?」
私が聞くと夕実は小さく、うん、と言ってうなずいた。
「・・・人形は?」
夕実はピンクのダウンのポケットから、私が渡しておいたおまじないの人形を出した。

 人形は苦しそうにグニャリとねじれていた。夕実は咄嗟に息を飲み込むと人形を手から離してしまった。
 人形は絞ったまま乾かした雑巾のようにコロリと暗いアスファルトに転がった。
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