今日の・・・
うちに着くなり、夕実はどっかりと座り込み、しばらくボーっとしていた。かなり疲れたようで、あまり見たことのない表情をしていた。目は半開きでため息ばかりついている。時計は既に10時になろうとしていた。
「大丈夫?」
私は暖かいコーヒーを入れながら言った。
「うん。やっとホッとした感じ」
夕実はゆっくりとそう答え、ジャケットを脱いだ。
「・・・人形は?」
一呼吸置いて夕実は私に尋ねた。
「心配要らないよ。ちゃんと持って来たから。明日にでも洗濯して返すよ」
夕実はフッと笑った。
「洗濯だって。なんだかずれてるなぁ、あっちゃん。もう、怖いからいらないよ、あのハンカチ」
「・・・ごめんね」
私は急に自分が夕実にどんな気の毒なことをしてしまったのかと恥ずかしいような、情けないような気になってきた。
「なんで?あっちゃんのせいじゃないよ?」
「ううん、夕実は行きたくないって言うたのに。私が・・・」
コーヒーがユラユラと湯気を立てていた。夕実は両手でカップを抱え、一口すすった。
「・・・このまま放っておいて、夜な夜な金縛りなんて嫌だし、私だって。早く解決してしまおう」
夕実は元気を装って、そう言った。
「じゃ、率直に聞くわ。どんな感じだった?今日は」
「うん。学校出てから谷君の車に乗ったんだけどね。私には見えないの、見えないんだけど、途中から明らかに誰かが後部座席にいるの。凄い視線を感じるって言うか、人の気配ってわかるでしょ?谷君は全然気付いてないみたいだし、そのまま我慢して居酒屋まで。ポケットの中でお守りの人形ずっと握り締めてたよ」
「そう。それで?」
「居酒屋で、店員さんがお絞りを3つ、出してきたよ・・・」
夕実は大きくため息をついた。
「感の強い人やったんか・・・」
「みたい。谷君が2人だけどって言ったらあれ?って顔して下げた。明らかにおかしいよね」
「おかしいね」
「その後、これは偶然かもしれないんだけど、カウンター席があってね。私たちは4人がけに2人で座ってて、そのテーブルの通路を挟んで右手がカウンターになっているんだけど、ちょうど私たちの横になるカウンター席、真ん中なのに、誰も座らなかった。2人、3人連れが何組か入ってきたし、店は一杯だったのに・・・。偶然かもしれないけどね」
夕実は偶然、と繰り返した。
「大丈夫?」
私は暖かいコーヒーを入れながら言った。
「うん。やっとホッとした感じ」
夕実はゆっくりとそう答え、ジャケットを脱いだ。
「・・・人形は?」
一呼吸置いて夕実は私に尋ねた。
「心配要らないよ。ちゃんと持って来たから。明日にでも洗濯して返すよ」
夕実はフッと笑った。
「洗濯だって。なんだかずれてるなぁ、あっちゃん。もう、怖いからいらないよ、あのハンカチ」
「・・・ごめんね」
私は急に自分が夕実にどんな気の毒なことをしてしまったのかと恥ずかしいような、情けないような気になってきた。
「なんで?あっちゃんのせいじゃないよ?」
「ううん、夕実は行きたくないって言うたのに。私が・・・」
コーヒーがユラユラと湯気を立てていた。夕実は両手でカップを抱え、一口すすった。
「・・・このまま放っておいて、夜な夜な金縛りなんて嫌だし、私だって。早く解決してしまおう」
夕実は元気を装って、そう言った。
「じゃ、率直に聞くわ。どんな感じだった?今日は」
「うん。学校出てから谷君の車に乗ったんだけどね。私には見えないの、見えないんだけど、途中から明らかに誰かが後部座席にいるの。凄い視線を感じるって言うか、人の気配ってわかるでしょ?谷君は全然気付いてないみたいだし、そのまま我慢して居酒屋まで。ポケットの中でお守りの人形ずっと握り締めてたよ」
「そう。それで?」
「居酒屋で、店員さんがお絞りを3つ、出してきたよ・・・」
夕実は大きくため息をついた。
「感の強い人やったんか・・・」
「みたい。谷君が2人だけどって言ったらあれ?って顔して下げた。明らかにおかしいよね」
「おかしいね」
「その後、これは偶然かもしれないんだけど、カウンター席があってね。私たちは4人がけに2人で座ってて、そのテーブルの通路を挟んで右手がカウンターになっているんだけど、ちょうど私たちの横になるカウンター席、真ん中なのに、誰も座らなかった。2人、3人連れが何組か入ってきたし、店は一杯だったのに・・・。偶然かもしれないけどね」
夕実は偶然、と繰り返した。