粉雪
俺が飛ぶ日が、何で明日だったか分かる?


それは、ちーちゃんと出会った日だから。



ちーちゃんには、あの雨の日から、全てをやり直して欲しかった。


出来るなら、俺と出会う前の生活に戻って欲しかった。




明日も、雨になるかな?


ちーちゃんは、雨が嫌いだったよね?


でも俺は、ちーちゃんと出会わせてくれた雨に、感謝しています。



ホントに偶然だったよな?


まさかこんなことになるとは思わなかったけど…。



昔、猫が捨てられてたのに、俺は親戚の家だったから。


飼うことが出来なかった。



だから、捨てられたみたいに歩いてたちーちゃんを、

放っとくことが出来なかったんだ。


猫と一緒にしたら、ちーちゃんは怒るかな?




一緒に入れてあるペアリングは、ずっと車の中に隠してました。


本当は、すっげぇ格好良いプロポーズと一緒に贈りたかったんだ。


だけど、そしたら本当にちーちゃんは戻れなくなるから。



ちーちゃんを閉じ込め続けてた俺が言える台詞じゃないのも分かってる。


ちーちゃんを想ったら、別れた方が良いことは分かってたんだ。


だけど、愛してるからこそ手放せなかった。


本当は、俺が独りになるのが怖かっただけなんだ。




ちーちゃんには、謝ることしか出来ません。


本当に、本当にごめんな…?


そして、ありがとう。



すげぇ愛してた。


これからも、それはずっと変わらない。




       小林隼人




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