平々凡々なストーカーです。
仕方なしに本をまた読み出す。
しかし一向にやむ気配なんかはない。
もうこのまま走って帰ってしまおうかな。
うん。そうだそうだ。そうしよう。
「地元くん?」
ふ、と聞いたことのある声が聞こえた。
いつもいつも気にしていたアノ声がした。
「・・・・・・・・・空崎さん」
「地元くん傘ないの?」
「え・・・あ、うん」
嘘だろ。なんだこの偶然。
「えーとえーと」
空崎さんが鞄の中を探る。
うわ、かわいい。
「あった!はいコレ!」
折りたたみ傘を差し出された。赤に小さな花のワンポイントがついている。
「ごめんね。これしかないの可愛すぎるかな?」
ちらりと空崎さんの差している傘を見るとピンクが可愛らしい小さな傘だ。
確かにそれよりは俺が指しても気にならないかな。
「貸してくれるの?」
「もちろんだよ!」