平々凡々なストーカーです。
華やかに笑って傘を受け取った。

「ありがとう」

「ううん!いいよ。私もこの前ボール拾うの手伝ってもらったしね!」

手を引かれて傘を握らされた。

うわ、手が。触ってしまった。

「あ、返さなくていいからね!じゃあね、地元君!」

手を振りながら去っていく空崎さん。

かぁーと顔が熱い。

初めて、こんなにも長く話した。

いつもの俺の猫かぶりをする余裕さえもない。

「はぁーーー・・・・」

深くため息をしながら傘を広げた。

たしかに俺には可愛らしい傘だな。

赤い小さな、おとぎ話にでも出てくるような可愛い傘。

空崎さんにぴったりだな。

歩き出す足は軽くて、足につく泥水さえ気にならなかった。









不思議と隣に空崎さんがいるような気がした。
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