青碧の魔術師(黄昏の神々)
そこには…………。


青年が、イシスに詰め寄っている最中と、言う光景が繰り広げられていた。


「お前……」


青年が、ゆっくりと首を巡らす。

その目に飛び込んで来た物は、情けなく地面に横たわる部下の中でも選りすぐりの3人だった。


「はぁ? あの程度で国1番だと? だったら、余程の腑抜けの集まりらしいな。あれでは、ディングルの一匹すら倒せないと思うが? なぁ、エステル王子様」


シュリは唇の方端を吊り上げて笑うと、エステル王子様と呼んだ青年から剣を逸らし、鞘に収めた。

シュリが何故、彼を王子と見抜いたのか。


『あれは確か、近衛師団の制服だった。かま賭けたら大当り、か』


シュリが、例えに出して言ったディングルだが、それは森に住む、一般的な肉食魔獸の事だ。

彼は、その魔獸を例に上げ、この国の兵士の弱さを指摘したのだ。

これでは隣国が攻めて来た時、ひとたまりも無いだろう。


「さて、お姫様。この追いかけっこの理由。俺達は、知る権利があると思うんだが……」


シュリはそう言うと、片手を振ってロイの結界を無効にし、イシスの手を取って、立ち上がらせた。

イシスは、シュリを見上げ、彼の青碧色の瞳をじっと見つめて、おもむろにこくりと頷いた。



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