青碧の魔術師(黄昏の神々)
話は取り敢えず、場所を変えてと言う事で、シュリ、ロイ、イシス、エステルの3人と1匹で、お城のサロンに来ていた。



『青碧の魔術師』それは、魔道王国ザイラス最後の魔術師。

容姿と言えば、青碧の瞳を持つと言う事以外は、何も解っていない。

かの王国が無くなって400年は経つと言うのに、いまだ目撃談の絶えない人物だ。

最近では20年程前に現れたと、かの王国と『青碧の魔術師』の事を調べている歴史家の、ヒョーイ=ランクが書き記した歴史書に、記述しているが、それが真実かは、定かではない。

それだけ『青碧の魔術師』に関する話は、眉つば物だと言えるのだ。

百歩譲って、実際に生きているとしたら、400歳を越える事になるのだから『青碧の魔術師』が、今も実在するとは、現実的に考えてありえないと言える。

まことしやかに言われているのは、『青碧の魔術師』は、ある一族の決められた1人が、代々継いでいる名前なのではないか。

と、言う話しが、今では有力な説とされている。


シュリは、そう己の持つ情報を、イシスに伝えた。

イシスは、シュリの話を聞いている間は、大人しくしていたが、話終わると言った。


「私も、その話は知っています。無謀だとも解っています。けれど私は、出来る限りの事をしたいのです。父様や国民。そして私自身の為にも……」

イシスは強い意思のこもる瞳でシュリを見つめた。


『それにあの方はちゃんといらっしゃいます。その証拠に……』


「では聞こう。青碧の魔術師を見付けたとして、奴に何を頼むつもりだ?」

思考中のイシスに、シュリは強い口調で問い掛けた。

イシスは、少し躊躇(ちゅうちょ)した様子でエステルを見て助けをこう。

エステルがイシスを見反してうなずいた。


「ここ迄話したんだ、全て話すのが筋と言う物だ。話してやれ」

「解りました。お兄様の言う通りですわね……」


イシスは頷くとシュリを見上げ、真摯(しんし)な瞳で見つめた。


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