恋、来い、請い

学校に着くといつも通り机に鞄を置く。
いつも通り、自分の席について
気になっていた小説の続きを読む。

ただいつもと違ったのは
遠巻きに見ていた女の子達が
こっちに向かって歩いてきたこと。

「ちーくん・・・・ちょっといいかな?」
4・5人の女の子からの呼び出し?
っていうのかな?


ちょっとだけ怖い・・・・かも。







連れてこられた場所は人気のない廊下。
たまにちゃんと人は通るけど
めったに人は来ない。




「・・・・・あのさ」
先に声をあげたのは女の子のほう。

「ちーくんて、一葉のこと好きなの?」
不安げにきいてるのに
何故かワクワクしている。

「付き合ってないよ」

女の子全員がホッとした顔をする。

「でも一葉のこと、好きだよ」










それを聞いた瞬間
女の子達の顔がまた引きつる。
 
< 59 / 197 >

この作品をシェア

pagetop