恋、来い、請い

こないだの返事はいつだっていいんだ。
返したくないのなら返さなくたっていい。
振るんだとしたら振ってくれて構わない。
ただ伝えなきゃいけない気がした。
それだけだから・・・。

でもできるのなら
結果はどうだろうと返事は欲しい。

FROM:千衣






読み終わって周りを見回したら
もう授業は終わっていた。
教室から誰も居なくなったと思ったら
隣にずっと海藤さんがいた。

泣いていた所も見られたのか?
『ウチ』じゃなくて『俺』って言ったのも
聞こえたのだろうか・・・?

「・・・・・朝比奈、さんに伝えないの?」
「・・・・さん?」

『くん』じゃなくて?

「えっと・・・同じ学校・・・・だったから」

脳裏に独りになったちーが浮かんだ。

「オマエもちーのことを見てみぬフリか?」
真顔のウチに流石の海藤さんもビックリしたようだ。

「独りにしたのか?」
訊くつもりもないことを体が勝手に訊く。
「・・・・・・・・ごめんなさい」
俯く海藤さんを見て我に返った。

今日は我を忘れやすいみたいだ。



「・・・・・・・・一葉、ちゃ・・・・」
「伝えなきゃ」

ほら。
我を忘れた。


ウチは
ちーのことを
どう思っているかもわからないのに。


 
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