好きだから、別れよう。



私の目は、ちゃんとパレードを見てる。



…けど、パレードのきらびやかな世界より、マサキさんが気になる。





耳にかかる吐息。



背中に感じる鼓動。





こんなにドキドキしているのがバレないように、一生懸命パレードを見た。





「…アヤ、緊張してる?」



耳元で意地悪な声がする。



「そっ、そんなこと……」



「嘘つき。ほら…」





マサキさんは私の首筋に唇を押し当てて、ドクドクと波打つ鼓動の速さを私に思い知らせる。



「やっ……」



恥ずかしくて顔を背けると、マサキさんは包んでいた腕から私を解放して、



「あはは、ごめんごめん。アヤがかわいすぎて…つい意地悪しちゃう」



と、照れたように笑いながら、固く結んだ私の右手をこじ開けて、何かを握らせた。








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