好きだから、別れよう。
車が停まったのは、小さな公園の駐車場。
花火大会の余韻に浸った高校生くらいの人達が、手持ち花火をしているのが見えた。
それを、マサキさんとふたりで静かに見つめていた。
「…さっきさ…」
マサキさんが口を開いた。
「さっき、…最後のスターマインのとき、アヤちゃん俺に…」
――ドキッ!!
や、やだ…
ホントは聞こえてた!?
は…恥ずかしい……。
顔が熱くなるのがわかって俯く私に、マサキさんは続けた。
「あのとき、アヤちゃん俺に…
『マサキさん…老けてる』
って言ったよね…?」
――へっ?
ふっ、『老けてる』!?
そんなこと…
「そっ、そんなこと言ってないですよ!!
私は『好……」
「え?なになに、『す』?」
マサキさんは仔犬のような目で私を見つめる。
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