好きだから、別れよう。



…わざと?

わかってて言わせてるんですか…?



マサキさんは純粋そうな目で私をじっと見る。



「…や、もー…いいんです、なんでもないんです〜…」



真っ赤になって俯いたままの私に、マサキさんはなにやらポケットをゴソゴソして、何かを取り出した。



「…じゃーん!!見て見て、アヤちゃん!」



マサキさんの右手には、ウサギの着ぐるみを被ったキティちゃんのストラップがあった。



「わっ!!かわいい!!」



見たことのないキティちゃんに、私の興奮は高まった。



「でしょ?出張先で見つけてさ、アヤちゃんキティちゃん好きかな〜と思って」



私は涙が出そうなくらい嬉しかった。


お仕事で遠くまで行って大変なのに、

私のことを気遣ってくれてたなんて…。


私=キティちゃんって覚えてくれたなんて。



嬉しすぎだよ……。









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