ホワイトデーの復讐
そこに写っていたのは、漆黒の長い髪の毛をした、黒ぶち眼鏡の女の子。おとなしそうな感じ。
ってか……
『隠し撮り!?』
女の子は横顔。目線がずれてる。
「俺のダチがな」
あんた……どんな友達もってるの!?
「っつか…変な勘違い、すんなよ?」
『え?』
「コイツなんだよ。“毒チョコ”作ったの」
毒チョコ……つまり。
『あたしを病院送りにした女!?』
「そんなとこ」
こ、この子がっ……
虫も殺せないような顔して、ずいぶん大胆なことを……
『あんた、この子フッたの?』
彰は、この容姿と、ムカつくくらい出来る勉強と、そつなくこなすスポーツのせいでモッテモテ。
そりゃあ、もう。
告られてフッたら、チョコに毒を盛られるくらいに。
「うん」
即答する彰。
その様子に、何故かホッとしている自分がいたことに驚いた。
うん、なかったことにしよう。
「何、妬いてんの?」
……なかったことにしようとしてんのにっ!!
『ち、違うもん!自惚れんな!』
「へぇ。まぁ、いいけどさ」
そう言って、話を続けた。