この想いを君に…
「どうしたの?」

悠斗の真剣な眼差しがあたしを射ぬく。

「…家、出てきた」

苦笑いをするあたしを見て悠斗の顔色が変わった。

「しばらく家には帰らないから」

「…どこに行くの?」

「…さあ」

あたしはそう言うとコンビニを出た。

悠斗が後からついて来る。

「どこへ行っても、誰かに通報されたりするよ?」

そんな事を言う悠斗を無視する。

「むっちゃん!」

とうとう悠斗が腹を立ててあたしの手を掴んだ。

「みんな、心配してるよ?
帰ろう」

「…嫌だ」

あたしは悠斗の手を振り払う。

「むっちゃん!」

悠斗があたしを抱きしめた。



突然の事で。

腰を…

抜かしかけた。
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