この想いを君に…
「このまま、行かせないからね」

背中越しに伝わる悠斗の体温。

たまらなく、切ない。

「悠斗、ごめん。
今日は頭が混乱して、帰れない」

掠れかかった声を精一杯振り絞ってあたしは言った。

「…じゃあ、僕も付き合うから」

思いがけない、言葉だった。

思わず後ろを振り返る。

「…今日はじっくりとむっちゃんに付き合うよ」

悠斗は少し照れた笑みを浮かべていた。
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