そして海の思い出を胸に

僚二と同じ目をして、僚二と似ている声で、『美雪に惚れた』なんて言われたら……無視したくても、勝手にドキドキと胸の鼓動が早くなってくるじゃない……。



私、もうどうしていいか分からなくなってきた。



「涼さん」

思い切って訊いてみようと思った、僚二との関係を。


でも、意外な切り返しに合う。



「『涼』って呼んで♪」

「……えっ?」

「『さん』付け、イヤ」

思わず視線を戻すと、さっきと違って無邪気な表情をした涼さんの笑顔。

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