死神彼女
ーピンポーン。

チャイムが鳴った。


が、本に集中している俺はもちろんシカト。

ーピンポーン。

シカトしたのにも関わらずチャイムがもう一度鳴る。

これももちろんシカト。

ーピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。


…っ。う、うるせぇ。

ーピンポーン。ピンポーン。

今だ鳴り止まないチャイムにイライラしてきた俺は仕方なく玄関に向かった。


誰だよ…。


ガチャ。


「…どちら様…、あ」


驚いた…。


扉の向こうにいたのは、さっき、傘もささずに歩いていた女だったのだ。

ずぶ濡れの事も気にせず女はニッコリ微笑むと、言った。



「あたし、あなたの魂を回収しにきた、死神です」



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