切なさに似て…
ねぇ?

信浩は私に、覚えてるかって聞くけど。

私は、信浩こそ言い出しっぺなのに、忘れたんじゃないの?って、思ってたけど?


25歳まであと3年しかないけど…。

結婚って、どういうことかわかってるの?

3年経っても私達はこうして、狭いワンルームの一室で笑い合っていられる?

信浩は私を見捨てないでいてくれる?

こうして…、“友達”でいられる?

その約束を果たしてくれる日が…、来るの?

それって本当に“約束”なの?


…後悔、してるんじゃないの?


忘れることが出来なかった、何気なく交わした約束のような、現実味のない奇妙な未来。


普通、いくら仲が良くても言わないよ。…そんなこと。

私があの時、どんな気持ちで聞いてたか…。知らないから言えたんだよね?

知ってたら、口がどんなに裂けたって言えないでしょ?


まさか、自分を好きだって縋り付く女にさ…、言えないでしょ…?

それとも…、知ってたからこそ言ったのかな…。

だったら、信浩は酷い男だね。
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