切なさに似て…
私が勝手に勘違いしただけだ。

このくらいのこと何でもない。


彼女が出来た信浩に、当てつけのように、私は彼氏を作った。

出来れば、親が放任主義の人が良かった。

そうすれば、この部屋に厄介にならなくて済む。


卑怯だと罵られようが。

勝手と非難されようが。


とことん利用し尽くした。自由奔放に振る舞っていた。

それが原因で、例え誰かが傷ついていたとしても、私は考えを少しも曲げなかった。


所詮、“他人”なんだから。どんなに足掻いたって、“自分”は“他人”には混ざり合えない。


私が彼氏と別れれば、信浩も彼女と別れる。

信浩が彼女と別れれば、私も彼氏と別れる。


私に彼氏が出来れば、信浩も彼女を作る。

信浩に彼女が出来れば、私も彼女を作る。


どちらが先か後か、それはまちまちだったけれど。


思わせ振りな態度は、時に心にカラフルな色を取り入れるが。

時として、漆黒の闇に染め上げ酷く残酷なもの。


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