切なさに似て…
私たちの週末だけの関係を終わらせた伸宏が、次の日にはいなくなっていたなんて。

それも、奥さんでも私でもなく同じ職場の女性社員と一緒に。


誰だって想像していなかった。



日曜と月曜日に行われた、社葬には私は行かなかった。


2人が並んだ真実を見たくなかった。

そして、泣き明かした奥さんの顔も見たくはなかった。


だけど、奥さんは来なかった。

正確には、来れなかった。


奥さんは後を追うようにして、家で自殺を謀っていたと、知らされたのは火曜日の朝、葬儀に出向いた社員から聞かされたのだった。


“クビにして”と心の底から悲鳴を上げた、奥さんの願いは届くことなく…。


彼に対する奥さんの愛。

野木さんに対する彼の愛。

彼に対する野木さんの愛。


彼に対する私の愛は、酷くちっぽけなものに見えた。


死ぬ程好きで、愛していて。

それを、どうして実現できてしまうんだろう。


そんな切ない終わりを成し遂げた今は存在しない3人の、それぞれの愛の形は私の中では消え去ることはなかった。
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